プレスリリース

JPモルガン・チェース、パリ協定に沿った資金調達に向けた二酸化炭素排出量削減目標を発表

目標設定や進捗測定の方法について概説するCarbon CompassSMを発表 年次ESGレポートで、顧客の低炭素経済への移行支援における最新情報を提供 運用上のカーボンニュートラルを達成、新たな運用目標を策定

下記は2021年5月13日にNYで配信したリリースの参考和訳です。本文と原文の内容に相違がある場合は原文が優先します。原文リリースはこちらからご覧いただけます。

2021年5月13日 ニューヨーク– JPモルガン・チェース (NYSE: JPM)は本日、パリ協定の目標に沿った資金調達活動をを行うための包括的な取り組みを発表しました。 昨年秋に発表したパリ協定に沿った資金調達コミットメントの一環として、同社は石油・ガス、電力、自動車製造セクターに対する2030年までの炭素強度の目標を発表しました。 また同社は、どのように目標を設定し、進捗状況をモニターしていくかを説明する新たな手法、CarbonCompassSMも発表しました。  

「気候変動に立ち向かうには、企業と政府の熱意と協力が必須です。パリ協定に沿った目標を設定することは、低炭素経済への移行を加速し、パリ協定の目標を達成するための重要なステップです。JPモルガン・チェースは世界中のお客様と協力して二酸化炭素排出量を削減し、当社自身のビジネスにおいてもカーボンニュートラルを維持することで、その役割を果たします。」JPモルガン・チェース 会長兼CEOジェイミー・ダイモン

パリ協定へのコミットメント

JPモルガン・チェースは2050年までに温室効果ガス排出量ネットゼロを達成するたの当面の取り組みをお客様と共に推進していくことを目指し、2020年10月にパリ協定に沿った資金調達に関する初のコミットメントを発表しました。

この取り組みの一環としてJPモルガン・チェースは、持続可能性に焦点を当てた資金調達、研究、およびアドバイザリー・ソリューションについてクライアントと連携すべく、低炭素移行センターを設立しました。

最近では、同社のコマーシャルバンキング部門が、再生可能エネルギー、効率化技術、持続可能な金融、農業および食品技術のセクターに属する企業の発展と成長を支援するための専任チーム“グリーン・エコノミー”を立ち上げました。

JPモルガン・チェースは2021年4月、気候変動対策および持続可能な開発に貢献する長期的なソリューションを促進し、お客様の自社のイノベーションに必要な資本へのアクセスを可能にすべく、10年間で2.5兆ドル強(グリーンイニシアチブ1兆ドルを含む)の資金を調達・ファシリテートするという目標を発表しました。

Carbon CompassSM  とターゲット

JPモルガン・チェースは、パリ協定に沿った自社の目標設定をし、お客様の炭素強度を測定し、進捗状況を評価し、炭素パフォーマンスの検討事項をビジネスの意思決定に統合する手法、Carbon CompassSM  を策定しました。国際エネルギー機関の持続可能な開発シナリオを含む、信頼できる第三者機関のエネルギーおよび排出シナリオに基づいて目標を設定しています。

JPモルガン・チェースは、Carbon CompassSM  の策定における同社の取り組みを強化するため、低炭素経済への移行におけるセクター、技術、ビジネスに関する深い専門知識を備えた世界的なサステナビリティ・コンサルティング会社であるERMのサポートを得ました。

2019年のベースラインに対して設定されたJPモルガン・チェースのアプローチとそのポートフォリオ目標の重要なポイントは次のとおりです。  

  • 自動車製造セクター
  • 2030年に向けた目標: 新車の製造による炭素強度、および新車のテールパイプ排出量を41%削減
  • 普通乗用車や米国の軽トラックを含む軽量自動車の世界的なメーカーを対象とします。お客様と協力して、電気自動車への移行を加速し、徐々に自動車のサプライチェーンからの排出量を定量化して対処します。
  • 電力セクター
  • 2030年に向けた目標: 電力セクターの気候変動への影響の大部分を占める、発電による炭素強度を69%削減
  • 電力発電を担う企業を対象とします。電力セクターの太陽光や風力など低炭素およびゼロ炭素源への移行を加速し、世界中で電力発電による二酸化炭素の排出量削減に努めます。
  • 石油・ガスセクター
  • 2030年に向けた目標: 運用中の炭素強度を35%削減し、最終用途の炭素強度を15%削減します。これは、下流の石油と天然ガスの燃焼による排出量の低減と再生可能エネルギーの生成増加を反映しています
  • 石油と天然ガスの生産者、精製会社、またそれらの総合企業を対象とします。 運用上の二酸化炭素排出量を削減するために再生可能エネルギーへのシフトを奨励することに加え、メタンの漏出とガスフレアに対処するため、お客様と協力していきます。 JPモルガン・チェースはまた、お客様と共に低炭素燃料への移行やその他の事業多様化戦略の検討など、エンドユースの排出量に対処します。

「JPモルガン・チェースは、石油・ガスセクターでのメタン排出量の削減の緊急性や、米国の乗用車における小型トラック(ピックアップトラック/SUV/ワゴン等)の突出などの主要な課題に取り組む実用的な方法論を開発し、透過的に共有することで、銀行業界の道をリードしています。彼らは、銀行業界が低炭素経済への移行に資金を提供する大きな機会を受け入れ、信頼できる脱炭素化の軌跡を企業顧客に明示しました。」ERM CEOケリン・ジェームズ

将来的には、同社はパリ協定に沿った資金調達のコミットメントにさらに対象セクターを追加する予定です。 次ステップとして、2022年末までに航空および紙パルプセクターの目標設定を分析します。

 「私たちは慎重に目標を設定し、当社のお客様が低炭素化していくのを支援するためのリソースを配置しました。CarbonCompassSM手法を用い、炭素効率を改善する目的で世界中のお客様に資本とアドバイスを提供するインセンティブを生み出し、排出量ネットゼロへの道を歩みます。」- JPモルガン・チェース 最高リスク責任者 アシュリー・ベーコン

計測とレポート作成

本日発表された2020年版ESGレポートで、JPモルガン・チェースがビジネスを行う上で環境・社会・ガバナンスをどのように考慮しているか、また、ステークホルダーのためにビジネスをどのように機能させているかについての最新情報を提供します。 これには、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の勧めによって通知された、気候関連のリスクと機会を管理するための会社のアプローチに関する情報が含まれます。

運用上の影響への対処

JPモルガン・チェースは本日、2020年に全社でカーボンニュートラルを達成し、今後も毎年この取り組みを維持すると発表しました。 目標を達成した取り組みの例は以下のとおりです。

  • エネルギー効率の改善:
  •  約4,300の支店と50の営業所にLED照明システムを設置し、各建物の照明関連の電力消費量を推定50%削減しました。
  • 各ビルのエネルギー使用をより適切に制御および監視すべく、3,400超の支店にエネルギー効率の高いビル管理システムを導入しました。
  • オンサイトの再生可能エネルギー容量の構築:
  •  900の支店に約30メガワット(MW)の太陽光発電容量を配備しました。これにより、拠点毎の電力需要の約35%を賄うことを想定しています。
  • 米国と英国内の当社のオフィスビル全体に40MWの太陽光発電容量を設置する予定です。
  • 長期再生可能エネルギー契約の締結:
  • 108 MW、22タービンの風力発電所の開発に協力しました。これは当社グローバルのエネルギー需要の約14%相当を供給します。

JPモルガン・チェースは、自社のビジネスにおいて持続可能性を推進し続けるために、一連の新しい目標も設定しました。

  • 2017年のベースラインに基づき、オフィスビル、支店、データセンターの運用による温室効果ガス排出量を2030年までに40%削減します。
  • 2025年までに、オンサイトの再生可能エネルギーおよびオフサイトの長期再生可能エネルギー契約で、再生可能エネルギー化の目標の少なくとも70%を達成します。
  • 当社で所有する車両全体を2025年までに電気自動車に移行します。
  • 2017年のベースラインに基づいて、2030年までに世界の水消費量を20%削減します。
  • 2017年のベースラインに基づいて2025年までにオフィスでの紙の使用を90%削減し、2021年末までに100%認定供給元からの購入とします。
  • 信頼度の高いベンダーを介し、電子廃棄物の埋め立て地への廃棄を100%を回避させます。

先月、JPモルガン・チェースは、テクノロジーと市場の革新をサポートする取り組みの一環として、航空関連のCO2排出ネットゼロへの道を加速することを使命とするSustainable Aviation Buyers Alliance(SABA)の創設メンバーの一社となりました。

高品質な持続可能な航空燃料(SAF)への投資、新たなSAF生産や技術革新を促進し、メンバーの政策立案への関与を支援します。

JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーについて

JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー (NY証取: JPM) は総資産3.7兆ドルを有する世界有数のグローバル総合金融サービス会社です。投資銀行業務、個人・中小企業向け金融サービス業務、コマーシャル・バンキング業務、金融取引資金管理業務、資産運用業務において業界をリードしています。世界で展開する法人向け事業は「J.P.モルガン」、米国における個人向け事業は「チェース」ブランドを用いて、世界有数の事業法人、機関投資家、政府系機関および米国の個人のお客様に金融サービスを提供しています。詳細はウェブサイト http://www.jpmorganchase.com/ をご覧下さい。